【VR×販促DX】iPhoneスキャンとUnityで挑む「実用レベル」のVR内覧会システム構築ログ #01

こんにちは。「脱・代理店WEB工務店」の増田です。

実は弊社では、ちょっと前からVRシステムの構築を研究しています。

今や「フォートナイト」や「ロブロックス」などのFPSゲームだけでなく、地域密着の生活を支えるサービスにも積極的に取り入れられている新分野だからです。

たとえば、建築や不動産の分野だと遠方のお客様などに向け「VR内覧」という手法が取られつつあります。
実際に現場まで足を運ばなくても、「今、自分が物件内にいるかのような没入感」を感じながら、壁紙のクロスの質感まで再現度高く作ることもできるからです。

そんなVR内覧という言葉が一般的になりつつある今、単に「空間を見せる」だけでなく、いかに「成約に繋げる販促ツール」として昇華させるか?


今回は、弊社の補助金対応業務の技術工場プロジェクトの一環として、最新の「Unity 6」とiPhoneでのスキャンを組み合わせた、次世代のVR販促パッケージの開発をスタートしています。

目次

VR内覧はどういう仕組みで実装できるのか?

「VR内覧」をビジネスとして成立させるには、大きく分けて「現実を切り取る(スキャン)」工程と、「デジタル空間で組み上げる(構築)」工程の2つが必要です。

1. 現実をデジタル化する「スキャン・デバイス」

まず、現実の空間を3Dデータとして取り込むための「目」となるアイテムが必要です。目的や予算に応じて、いくつかの選択肢があります。

  • iPhone(LiDAR機能付き): iPhone 12 Pro以降のモデルに搭載されている「LiDARスキャナ」を使用します。レーザーで距離を測るため、スマホ一つで手軽に、かつ比較的高精度なスキャンが可能です。今回のログでも主力として活用しています。通常のiPhoneでも代用可能ですが、失敗作として後で紹介します(笑)
  • Insta360などの全方位カメラ: 360度のパノラマ写真を撮影するカメラです。「空間の形」を作るよりも「見た目の美しさ」を重視したバーチャルツアーに向いています。
  • Matterportなどの専用スキャン設備: プロ仕様の据え置き型赤外線スキャナーです。数ミリ単位の誤差で空間を完全に複製できるため、建築や不動産などの「究極の精度」が求められる現場で威力を発揮します。

2. データをVR体験に変える「構築システム」

スキャンしただけのデータは、まだ単なる「点や面の集まり」に過ぎません。これを歩き回れる「体験」に変えるための心臓部がこちらです。

  • Unity 6(ゲームエンジン): 世界中のVR開発で標準的に使われているプラットフォームです。スキャンデータの歪みを補正し、ライティング(照明)を整え、ボタンを押すと情報が出るなどの「インタラクティブな機能」を実装します。近年ではスマホやプレステ、スイッチのゲームのクレジットにもUnityが出てくることが増えました!
  • グラボ搭載のハイスペックPC(G-Tune等): 膨大な3Dデータをリアルタイムで処理するには、強力なGPU(グラフィックボード)を搭載したPCが不可欠です。弊社ではG-Tuneのハイスペック機を導入し、ストレスのない滑らかなVR映像の書き出し(レンダリング)を行っています。

1. iPhoneスキャンの「理想と現実」

手軽に空間を3Dデータ化できるPolycamなどのフリーツールは非常に便利でお手軽にスタートできますが、実際にビジネス用途(実用レベル)で使おうとすると、一つの大きな壁にぶつかります。それが「直線の歪み」です。

通常のiPhoneでスキャンしたデータは、どうしても壁が溶けたように歪んだり、鏡などの反射物が「黒い穴」として認識されてしまいます。これでは「販促ツール」としての信頼性が欠けてしまいます。

なので、最初から高精度のスキャンカメラを使うことが望ましいです。

2. Unity 6による「空間のバリ取り作業」

こちらは通常のiPhoneでスキャンしたものになります。
初期のプレステタイトルみたいじゃないですか?

上の画像は、開発中のテスト環境です。
普通のiPhoneで撮ったのでガッタガタです。
スキャンデータの歪みを補正するため、Unity上で「物理的な補完」を行う必要があります。

  • バグの封印: 反射がおかしくなった箇所に、Unity上で正確な図形を配置し、空間を再構築します。
  • Collider(衝突判定)の実装: 右側のインスペクターに見える「Box Collider」の設定は、VR空間を歩く際に「壁を突き抜けない」ための物理的な壁を作っている証拠です。

スキャンデータを「そのまま使う」のではなく、最新のゲームエンジンで「リフォーム」を施す。これが、実用に堪えるクオリティを実現するための内製化の第一歩です。

3. なぜ「内製化」にこだわるのか?

外注すれば綺麗なものは手に入ります。しかし、販促の現場は常に動いています。

「ここをクリックしたらお問い合わせに飛ばしたい」
「キャンペーンに合わせて店内のポスターを張り替えたい」etc…

こうした現場のスピード感に対応するためには、自社でUnityをコントロールし、販促プランと連動した改修ができる体制が欠かせません。

4. 今後の展望

現在はまだ「空間の整形」段階ですが、今後はスキャン精度を改善しつつ、ここに「スムーズ販売導線」を組み込んでいきます。

  • VR空間内での商品情報のポップアップ表示
  • 視線解析によるユーザーの関心ポイントの特定
  • Meta Quest 3等を用いた、没入型の接客シミュレーションetc…

「ただの綺麗な画像」で終わらせない、「売上を作るVR」。 その開発プロセスを、今後もこのブログで発信していければ幸いです。

VR内覧が「販促」をどう変えるのか?

私たちがUnityやMatterportを用いた「内製化」にこだわる理由は、単に最新技術を追うためではありません。その本質は、お客様が抱える「時間」と「場所」の制約を解消し、ビジネスの成約率を最大化させることにあります。

具体的には、以下のような活用シーンで圧倒的な威力を発揮すると思っています。

  • レンタルスペース・スタジオの事前見学: 「機材の配置は?」「実際の広さは?」といった不安を、現地に行かずに即解消することもできますよね。予約の心理的ハードルを下げ、稼働率の向上に直結します。VRゴーグルを掛ければダンスの練習もできちゃうかも!?けど現実の部屋でタンスの角に足の小指をぶつけないようにしないといけません…。
  • 不動産の「立ち会い不要」オンライン内覧会: 遠方のお客様や、多忙で時間が取れないお客様でも、24時間365日、本格的な内覧が可能に。営業スタッフの立ち会いコストを削減しつつ、質の高い問い合わせを抽出できます。現在病気療養中であるとか、足が不自由だと言った場合にも、マウスでスイスイ移動できるなどの面でも便利でしょう。
  • 購買意欲の醸成とミスマッチ防止: 実写レベルのVR体験は、「なんとなく見る」から「ここで過ごすイメージを持つ」へと顧客体験を深化させます。結果として、問い合わせ数だけでなく、その後の成約率(CVR)であったり、LTV(障害顧客価値)の大幅な向上が期待できるでしょう。内覧だけでなく、看板施工業者さんの外観イメージのシミュレーションなど、活かせる場所は多いと思います。

技術はあくまで手段。私たちはこの新しい武器を使い、「いかにして売上という結果に繋げるか?」という販促DXの真髄を追求していってみます。

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